TOEICのリーディングテストの中で、1問目から46問目までが文法と語彙の問題になっており、この最初の46問いかに早く解き、そのあとの長文問題に時間を残せるかがリーディングテストを受ける上でカギになってきます。
この46問を解く目安の時間としては75分あるうちの20分以内で解きたいです。1問あたり26秒ですが、ここで文法ルールを知っていると大幅な時間節約が可能になります。そのルールを知っているだけで5秒で解ける問題が多くあるのです。
ではその文法問題がどれくらいあるかというと、46問のうち60%の27、28問が文法問題になっています。これらを素早くとくことにより5分~10分の時間削減ができます。
このTOEIC文法記事シリーズを通して文法問題を攻略しましょう!
品詞問題
問題
Why don’t you try taking this ________ effective medicine against colds?
(A)high
(B)highly
(C)higher
(D)height
答えは下↓↓
答え:(B)
訳:風邪に対して非常に効果的なこの薬を試してみてはいかがですか?
問題の解説
これは品詞の違いがわかっていると簡単な問題です。
(A)high:形容詞
(B)highly:副詞
(C)higher:動詞の比較級
(D)height:名詞
上の問題のように選択肢が、ほぼ単語の語尾だけ違う問題は品詞問題です。問題文の空欄の前後の単語などを見てどの品詞が適当な答えか判断しましょう。上の問題の空欄には形容詞の「effective」を修飾する単語が入ります。形容詞を修飾できるのは副詞です。なので答えは副詞の「highly」になります。
※ちなみに「high」も「高位に、(値など)高く」という意味の副詞にもなりますが、「効果的な」という意味の形容詞「effective」には会わないので間違いということになります。
形容詞と副詞の使い方の違い
形容詞と副詞の違いは、以下のように修飾する対象の違いです。
形容詞
形容詞:名詞を修飾し、動詞は修飾しない。またbe動詞のあとに単独でくることもある。
例1
The effective medicine.
訳:効果的な薬。
形容詞effectiveが名詞medicineを修飾し、どのような薬なのかを説明しています。
例2
You are beautiful.
訳:あなたは美しい。
形容詞beautiful単体でbe動詞の後ろにきて、あなたはどういう人なのかを説明しています。
例3
I’m interested in the position.
訳:その役職に興味があります。
be interested in のように形容詞を含む熟語もあります。意味は「~に興味がある」で動詞のように訳します。
副詞
副詞:動詞と形容詞と文全体を修飾し、名詞は修飾しない。
例1
I ran quickly.
訳:早く走った。
副詞quicklyが動詞runを修飾し、どんな風に走ったかを説明しています。
例2
He is absolutely foolish.
訳:彼は完全にバカです。
副詞absolutelyが形容詞foolishを修飾し、どれほどのバカなのか説明しています。
例3
Recently, my weight decreased.
訳:最近、体重が減りました。
副詞recentlyがそのあとの文全体を修飾し、いつ体重が減ったのかを説明しています。この場合、recentlyは文末にくることもあります。
品詞(動詞、形容詞、名詞、副詞)の形の違い
品詞問題をとくには語彙力も必要ですが、それぞれの品詞には特定の決まった形(スペル、語尾など)があります。なのでその単語の意味を知らなくても、その形を知っているだけでその単語がどの品詞なのか推測し、問題を解答することができます。この違いは、意識しながら問題を多く解いていけば自然に覚えてきます。
動詞になりやすい語頭、語尾
語頭
en-:ensure(確実にする)、endorse(裏書きする)、enlarge(大きくする)
語尾
-ate:appreciate(よさがわかる)、accelerate(加速する)、calculate(計算する)
-en:shorten(短くする)、threaten(脅す)、strengthen(強くする)
-fy:satisfy(満足させる)、modify(修正する)、clarify(明らかにする)
-ize / -ise:itemize(項目別にする)、minimize(最小にする)、advertise(宣伝する)
※多くの動詞は上記のように、特定の語頭や語尾を名詞や形容詞につけることにより、動詞に変化するものが多くあります。
形容詞になりやすい語尾
-able:capable(有能な)、desirable(望ましい)、flammable(可燃性の)
-ant:reluctant(気乗りしない)、important(大切な)、pregnant(妊娠した)
-al:integral(不可欠な)、global(世界的な)、mutual(相互の)
-ent:sufficient(十分な)、different(異なった)、current(現在の)
-ful:beautiful(美しい)、painful(痛い)、stressful(ストレスの多い)
-ic:economic(経済の)、authentic(本物の)、automatic(自動の)
ーive:addictive(中毒性のある)、exclusive(排他的な)、innovative(革新的な)
-ish:selfish(利己的な)、childish(子供じみた)、British(英国の)
-less:useless(役に立たない)、countless(数え切れない)、workless(無職の)
-y:lovely(素敵な)、empty(空の)、shiny(ぴかぴかの)
※fulの反対語がlessになることが多いです。
名詞になりやすい語尾
人になりやすい語尾
-or / -er:employer(雇用者)、actor(役者)、teacher(先生)
-ee:employee(従業員)、examinee(受験者)、referee(審判員)
-ian:physician(医者)、vegetarian(菜食者)、musician(音楽家)
-ist:specialist(専門家)、biologist(生物学者)、artist(芸術家)
-ant:participant(参加者)、accountant(会計士)、consultant(コンサルタント)
人以外の名詞になりやすい語尾
-ance / -ence:allowance(手当)、appliance(電気製品)、influence(影響)
-cy:fluency(流暢さ)、monocracy(独裁政治)、vacancy(空き)
-ment:environment(環境)、agreement(契約)、equipment(備品)
-tion/ -sion:notion(意見)、excursion(小旅行)、situation(状況)
-ty:ability(能力)、security(安全)、quality(品質)
-ness:happiness(幸せ)、consciousness(意識)、kindness(親切)
-th:death(死)、path(小道)、truth(真実)
※動詞や形容詞にこれらの語尾がつき、変形して名詞になることが多いです。
副詞になりやすい語尾
-ly:exactly(正確に)、constantly(絶えず)、completely(完全に)
※副詞はこれだけです。主に形容詞にlyをつけると副詞に変わります。ですが中にはfriendlyやcostlyのようなlyがついても形容詞の場合もあります。
問題
さて、これ踏まえもう1問解いてみましょう。
The representatives of each nation ________ with each other whenever they discuss global environment.
(A)differ
(B)different
(C)difference
(D)differently
答えは下↓↓
答え:(A)
訳:各国の代表は、地球問題の議論のときはいつも互いに意見が異なる。
(A)differ:動詞
(B)different:形容詞
(C)difference:名詞
(D)differently:副詞
この問題は後半のwheneverの節と前半の主節でできていますが、主節に不可欠な動詞が欠けています。なので答えは動詞の(A)になります。
コメント